先輩ありがとう

実は今から5年くらい前に、本気で楽器をやめようかどうか、悩んだことがありました。
たぶん仕事もそれなりに忙しくなってきて、楽器を続けることも趣味とはいえ、10歳から同じことを続けてきて、もちろん楽しいことばかりではないので疲れてしまったんじゃないかな、と思います。
その時に、とある人に「一度やめてみて、もう一度やりたいと思ったら本当に好きだということだと思うから、一度楽器を吹くことから離れてみたらどうか。」とアドバイスをされたことがありました。その人は音楽関係者ではなかったけれど「なるほどな」と思ったのを今でも覚えています。

最近精神的に少し落ち込み気味で、楽器もなかなかうまくいかなかったりして、昨日練習の帰りにふとそんなことを思い出して、先輩にこの時のことを話しました。その時に楽器をやめなかったのは、結局自分に勇気がなかったからだと思うと話すと「そんなことないでしょ。音楽に請われてたんだよ。」と言われました。続けて自分が今度とあるオケで、自分が尊敬している先輩の上で吹くことが本当に不安で心細いことを話したことについて「どうしていい音楽をしようということに努力をしようとしないんだ。頑張ればいいじゃない。」と言われました。

思わず涙がポロリ。

今まで自分を支えてくれた音楽。その音楽も自分を必要としてくれていたのかなあ。そして本当に単純なことだけど、努力をするということから、実力の差を言い訳に、逃げていた自分にハッとさせられた瞬間でした。

今となってはあの時楽器を吹くことをやめなくて、本当によかったと、思っています。だからこそ、ひとつひとつの練習、本番で納得のいく演奏ができるように、自分にできることから努力を続けたいと思います。

私には私にしかできない音楽が、きっとあると信じて。

先輩、ありがとう。