ライ麦畑でつかまえて

おととし(去年だったか)村上春樹が訳した『The Catcher in the Rye』を会社の先輩に借りてやっと読み終わりました。
話の内容としては主人公のホールデンが学校を退学させられてうちに帰るまでの道すじを描いたもの。ま、いろいろなところに立ち寄り、いろいろな人(友人、恩師)に出会いながらうちに帰る直前までを描いた話です。若者の非常にあぶなっかしい感じや純粋がゆえに脆い感じがよく出てると思うけど、私は少しこのホールデン少年は壊れかかってしまっているような気がしました。
わたし的には大感動、とまではいかなかったのは自分がホールデン少年と同じ年代(10代)を過ぎてしまったからなのか、逆にまだ精神的に未熟でこの作品の良さがわからないからなのかはわからないけれど、もう少ししたらもう一度読んでみたいな、と思う作品でした。こんなにも読み継がれているのにはそれなりの理由があるからだと思うから。
さて、次も奇遇ながら村上春樹の短編集『象の消滅』。これも先輩(↑の先輩とは別人)が貸してくれたもの。最近村上春樹作品からは遠ざかっていたので楽しみです。この次は『負け犬の遠吠え』(笑)。彼氏に振られた話をしたら「読んで備えておきなさい」だってさ。でも楽しんで読めればと思います。
本好きの先輩たちに囲まれて幸せ。


追記 16歳ってもしかしたらいろんなものを捨てていく年齢なのかもしれない。夢とか理想とかに見切りをつけて。それをホールデン少年のまわりは当たり前のようにやっていくのに、彼はできない。ライ麦畑の中を走り回る子供たち、無防備にそこから飛び出していく子供をつかまえてあげたいと彼は作中で話すのだけれど、実際にライ麦畑の中で走り回っているのはホールデン少年自身なのかもしれないと思いました。